皮革製品のお手入れについて

皮革製品をより快適に、長期に渡りご愛用いただくためのメンテナンスと保管方法についてのご説明です。

革のお手入れまとめ


購入後のお手入れ


革の種類
雑誌などのメンテナンス記事にはありませんが、表皮を使用した革には大きく二つの種類があります。
この二種類の革はメンテナンス方法が異なります。

【表面加工された革】
一般的な革衣類や靴に使われる革。水やカビなどに強いが、「素上げ調の革」に比べ風合いが劣る。

【素上げ調の革】
表面加工されていない、又は薄い表面加工のみを施した革。革の風合いに優れているが、水を吸いやすい為、シミ、汚れが付きやすく、除去しにくい。
他に上記が複合されたものなどがあります。

【見分け方】
目立たない部分に水滴をつけ、しみ込み方を見ます。
「水を全く吸わない」「少しずつ吸う」「すぐ吸う」色々な場合がありますが、これにより表面加工の度合いを把握できます。また、水の浸透性はシミの出来やすさでもあります。

□表面加工された革について
購入後、すぐに保革剤やクリーム等を塗布する必要は御座いません。
色の薄いものに関しては、汚れを落としやすくする為に、撥水や防水スプレーをお勧め致します。(撥水スプレーは、革の通気性を損ねない「フッ素系」の商品をお勧め致します)
革を強制的に柔らかくしたい場合は、弊社ハイパーレザーローションや革用オイル等を塗布して下さい。

□素上げ調の革について
購入後、すぐに撥水スプレー等の使用をお勧め致します。雨によるシミ、汚れによるシミ等の防止になります。(撥水スプレーは、革の通気性を損ねない「フッ素系」の商品をお勧め致します)
弊社リフレザー事業部でも撥水を行っております。お気軽に申しつけ下さい。


着用後のお手入れ


オートバイ乗車後のレザージャケットは排気ガスや粉塵を多量に浴びている状態です。
排気ガスや粉塵は酸性の物質を含む場合が多く、革の劣化を早めます。

【着用後のお手入れ方法】
「乾いたタオル」又は「ブラシ」で汚れを取り除いて下さい(サッとでも効果はあります)。頑固な汚れにはクリーナーが効果的です。表面加工の度合いによっては、水で濡らした後に硬く絞ったタオルで拭く事も可能です。(強く擦る事は避けて下さい)
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定期的なお手入れ


保革剤を塗りすぎている方がほとんどです。保革剤の過度な塗布は「汚れの吸着」「革の変質」「カビ」などの原因になります。保革剤を塗布する目的は、ひび割れや硬化の防止、表面のケア等です。特に目的がなければ保革剤は不要です。目安として、紳士靴にミンクオイルを使用する場合、片足に米粒2つ分程が適量です。
表面を撫でてみて乾燥してるように感じたら保革剤の使用時期です。保管場所、使用方法、革の種類によっては質感が持続する場合もあります。その場合、保革剤の塗布は不要です。

【保革剤の塗り方】
まず目立たない箇所でテストを行い、シミや色落ちが無い事を確認してください。

①ブラシ・ウエス等で表面に付着している埃・汚れを取り除きます。頑固な汚れにはクリーナーを用いて下さい。

②スポンジ等にオイルを付けた後は、スポンジ等の広範囲に手で馴染ませる。
スポンジ等に取ったオイルをいきなり革へ塗布する事は避けて下さい。オイルが偏っている状態では、革の一部分へ過度にオイルが入り、シミとなる可能性があります。

③全体へ、薄く広く塗布する
革はオイルが入る事で色が濃くなる傾向があります。特に「スレ・キズ」部分はオイルが深く浸透しやすいので、部分的な濃化が顕著に現れます。(※シミと勘違いされ易いですが、単に濡れている状態です)
部分的に濃くなってしまった場合、無理に擦ったりせずに、十分に乾燥させて下さい。時間経過と共に、元の状態へ戻るケースがほとんどです。

④風通しの良い日陰で、十分に乾燥させる。

□ミンクオイルについて
ミンクオイルには油脂が多量に入っているため、「革を柔らかくする」には効果的かもしれません。しかし、デメリットとして、ベタツキが生じ易く、空気中の塵・埃を吸着し易い傾向にあります。
皮膚と接触する機会が多く、表面積の広い「レザージャケット」にはミンクオイルの使用は避け、ベタツキが生じないタイプの保革剤(ハイパーレザーローションやレザークリスタル等の製品)をお勧め致します。


保管方法


保管で気をつけることは、カビ、型崩れ、日焼けです。

□カビについて
タンスやクローゼットに保管せず、ハンガーラックなどに掛けておくのが理想です。カビが生える要因のひとつは湿気ですので、空気が流動する場所で保管して下さい。
ブラッシング等で表面の汚れを落とし、保革剤を「使用しない」で保管して下さい。カビの栄養源を断ちます。
カバーを使用する際は、不織布等通気性のあるものを使用して下さい。
やむを得ず密閉空間で長期保管される場合には、定期的な換気を心掛けてください。
除湿剤を使用される場合は、「シリカゲル系」をお勧め致します。「塩化カルシウム系」の除湿剤の使用は絶対におやめ下さい、付着した場合、革の収縮が起こる場合があります。

□型崩れについて
肩幅に合ったハンガーを使用して下さい、パンツやチャップスの場合は、極力折りたたまないように保管します。靴やバッグ等はタオル・新聞紙などで整形する事も可能です。
基本的に型崩れする時は、保管した時の形に型崩れします。長期保管の場合は、ハンガーに掛けた時にできるシワなどに注意して、二週間に一度は革の状態を確認することをお勧め致します。

□日焼け
直射日光の当るところは避けて下さい、退色や日焼けの原因になります。


その他のお手入れ


□ファスナーの動きが悪いと感じたら
シリコンスプレーや潤活剤を使用することによって、ファスナーの動きがよみがえります。
また、ロウソクを擦りつける事でも同じ効果があります。

□部材の交換
ファスナーを上げても、下から開いてしまうようになってしまったらファスナーの交換時期です。
(交換時期は、素材や番手の大きさ等により、大きく異なります)
また裏地も約10年~15年程で交換時期が来ます。

□補色
擦れによる部分的な剥げが目立ってきたら、市販の革用補色剤を使用し、目立たなくすることが可能です。(補色剤は色を混ぜて使用できる場合があります)

メリデン ボニーゼロ展示


トラブル


□雨に濡れてしまった場合
水濡れで気をつけることは、カビとシミです。

【表面加工された革の場合】
タオルなどで水滴を拭き取り、風通しの良い日陰で乾かして下さい、急速乾燥は変形や、ひび割れを招きますので絶対におやめ下さい、乾燥後に必要であれば保革剤を使用して革の状態を整えて下さい。

【素上げ調の革の場合】
撥水加工などを行っていなかった場合、シミになる可能性があります。シミになってしまってからは完全な除去が困難です。撥水加工などの事前の対策を心掛けて下さい。
最終手段として、シミにならないように全体を濡らしてしまう方法があります。しかしながら思わぬトラブルを招く可能性もありますので、自己の責任で行うようお願い致します。

□シミがついてしまった
すぐに弊社リフレザーにご相談下さい、時間が経つほどに除去は困難になっていきます。
革のなめしは多種多様な薬品を使用しています。化学変化を起こす場合もあり一般衣類以上にシミの除去は困難です。出来るだけ事前のシミ対策を心掛けて下さい。

□体型が変わってしまった
弊社にてお直しを行っております。まずはご相談下さい。

□やぶれ等
革のパーツを交換してしまう方法と、あて革を行う方法があります。

【パーツ交換】
やぶれた革をそっくり交換する方法です。やぶれが無かったように仕上げることが可能ですが、工賃が高額になる傾向にあります。また同じ革を使用しても、使用感による差や生産ロットによる差が生まれる可能性があります。

【あて革】
革をあてて縫い付ける方法です。安価にて仕上げることが可能ですが、表面にあて革が残ります。裏側に革をあてる方法もありますが、一枚革の場合、表面に縫い目が出ます。「補修のあとも味」と捉えられる方や、デザイン的に違和感がない場合に有効です。
応用として、補修した上にポケットなどを増設する方法やワッペンを縫い付ける方法があります。


カスタム修理


弊社では、カスタム修理も承っております。ポケットの追加、エリの形状の変更、パットの縫い付け等、様々な改造が可能です。お気軽にご相談下さい。


クリーニングの勧め


末永くご利用いただくためのサポートとして、弊社ではクリーニング(REF LEATHER)工場を設立。車検と同じように定期的にクリーニングしてはいかがでしょうか、夏の始まりなど、そろそろ革を着ない時期などがあれば、ご都合宜しいかと存じます。


終わりに


以上、メンテナンスや保管方法について記述させて頂きました。
皮革はお客様によって様々な風合いに変化する素材です。長年の着用によりお客様にとってかけがえの無い一着になりますよう、今後ともサポートを続けて参ります。
ご不明な点がございましたらお気軽にご連絡下さいますようお願い申し上げます。




staff-tokyohonten01.jpg■この記事の執筆者
KADOYA東京本店 店長 菊地謙三郎(37)
直近10年間でお受けしたライダースのオーダーメイド件数は、カドヤ全社員の中で最多。
ひょっとしたら日本一採寸しているかもと思う今日この頃。




テーマ : バイク用品
ジャンル : 車・バイク

KADOYA東京本店

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Author:kadoya tokyo

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