ライダースジャケットに関する一般的な事柄と弊社製品の特長

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ライダースジャケットの革


鞣し:タンニン鞣し、クローム鞣し等と紹介されるが、タンニンクロームの混合鞣しも多い、特殊なものでは脱クロームタンニン鞣しなどもある

トップコート:聞きなれない言葉だが、ある意味、鞣しよりも風合いを左右する。
顔料、クリア、素上げなどがある

顔料はラッカースプレーで塗ったような質感で風合いは劣るが優れた発色と耐光性がある
クリア仕上げは染料で仕上げた革に透明な塗装をしたもの
素上げは、一切の塗装やトップコートを行っていないもので、シミなどには注意が必要だが風合いに優れる


弊社では、堅牢度の高い革と、風合いの優れる革のメリットとデメリットを考慮して各モデルに最適な革を選択しています。



ライダースジャケットの裏地


ワタ有キルティング、ワタなしなどがあり、それぞれにサテンやツイルなどの生地がある
表のレザーが重厚であれば相応の強度が必要
裏地は考えている以上に運動量を制限する為、相応の余裕が必要
革より寿命が短い素材である為、着用による補修や張り替え等が必要な場合がある


バイク用のライダースジャケットは特に背幅に余裕が必要な為、弊社では裏地にタックなどを付けて対応しております。



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ライダースジャケットのファスナー


重厚なレザーとバランスのとれる強度が必要な為、一般アパレルより大きいものが使われる
番手の大きいファスナーは、ファスナーテープと呼ばれるナイロン部分も厚めにできている
金属がスライドする部分が摩耗し左右が噛まなくなったらファスナーの寿命
勝手にファスナーが下りてしまう場合は、オートロックが破損している可能性がある


1960年以前から弊社では10番ファスナーを採用しています。また、補修なども承っておりますのでぜひご利用ください。



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ライダースジャケットのボタン


スナップボタンと呼ばれる俗にいうパッチンと留まるボタンが使用されることが多い、通常のボタンでは糸を長くしないと革の厚みに対応できずブラブラ感が出ることもスナップボタンが使用される理由
径が大きいものは脱着が固く、小さいものは脱着が軽い
径が大きいものは厚い生地ではない場合、脱着による生地の破れの原因になる可能性がある


弊社商品でよく見られるファスナー下に配置されたスナップボタンは着座時にファスナーへ掛かる負担の軽減を目的に打たれています。このボタンを使用することでファスナー交替修理の頻度が下がります。



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ライダースジャケットの糸


ライダースジャケットには一般アパレルで使用されるものよりも太いものが使用されている
弾性がなく強すぎる糸は生地を傷める
綿糸は普通の燃え方をするが、ポリエステル糸は火をつけるとダマになりながら燃える


細い糸では強度に難があり、太すぎると撚りがほどけやすくなります。弊社では長年の蓄積から最良のバランスで糸を選んでいます。



ライダースジャケットの設計図


バイク乗りの正装であるからには格好良く、ライダースであるからには乗りやすくと考慮されている
着丈は乗車姿勢を考慮した短めが基本となり、肘部分から曲がった袖のものが多い


弊社独自の最新理論に基づいた製図をHFPと呼んでいます。これはレースシーンの運動量や骨と筋肉の動きを考慮したものであり、その理論は一見するとクラシックな製品にも落とし込まれています。



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ライダースジャケットの縫製


布帛と異なり一発勝負であることが特徴
高級品を縫う時は特に注意が必要
1~2針を余計に縫ってしまっただけで大変なことになる為、細心の注意を払って縫製される


実際には縫製に至るまでに様々な工程を踏みますが、ここではご紹介しきれない情報量である為、詳細が記載されたURLを下記にご案内いたします。

KADOYA公式HP>HEAD FACTORY




ライダースジャケットの完成


多くのライダースは裏返った状態で最後の縫製が終わる
これを表に返し、ライダースジャケットは完成する


オーダーメイドのライダースジャケットなど、小さめでありながら極厚革を使用したライダースを表返すのは非常に困難です。布帛製品とは異なり表返すだけでも技術が要求される、それが素材の違いであり専門性と言えます。


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たまには雑記。

普段は「運動性能! 耐風性! 保温性! ユーザビリティ!」等の話題ばかりだったので、たまにはサイズとデザインについて悶々と考えたことの雑記など。

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世に出回る衣類の多くは標準的な体型を想定している。

胸筋がある人はもちろん、背の高い人なども、標準体型ではない人は、標準的な体型を想定した衣類の中から自身の体型に合うものを、なんとか選択し、それが普通のことと思い日々着用している。

世の流れは「○○が良いよ!」と同時に「□□なんて時代遅れで、ありえない」と二重のメッセージで人をコントロールしようとするが、自身の体型を根拠にしているのなら、迷う必要はない。

世には標準体型の人に向けて発せられた言葉が溢れているが、特徴のある人にとって、これは雑音でしかない。

翻って考えると、標準体型でありながら、自身に合うサイズやデザインのものを選択する人は、着用するものに一定の哲学があると言えるのかも知れない。


一般的に、衣類のデザインとは、目を引くポケットの形やエリなどの形状、ボタンや生地の色、シルエットなどと思われており、多くの人はそれを感覚で捉えている。

しかし、シルエットを構成する要因となる袖付け角度や、全体の雰囲気に影響するステッチピッチ、各部に自然に入れられている生地の継ぎ目などは、意識的に見るべきものであり、この視点がなければ、その衣類がどのようなものなのかを理解することが難しく、よく分からないまま着用することになる。

更に記述すると、なぜそのステッチピッチにしたのか、その生地の継ぎ目はなぜ存在するのかなどに、製作者の哲学が見え隠れする。


磨き上げた感性で自由に線を引く前衛的なデザイン

伝統などの根拠から逸脱しない線のみで構成していく論理的なデザイン

目立たない部分にのみ光るものを集中させているデザイン


私は、自身の哲学と重なるものを見つけたらよだれを垂らして喜びます。
そして、その衣類をガン見して、つぶやきます。




「ぐふふふぅっ…、アンタとは良い酒が飲めそうだ…」

※注:危険なので真似をしないでください





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ライダースジャケットの疑問

これより、ライダースジャケットでよく話題になる疑問を解決させて頂きます。
今回、普段は副題として扱われる細かな部分にスポットを当てさせて頂きました。


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ファスナーに左右があるのはなぜか


前身の合わせのように左右の違いで紳士物、婦人物の区別は存在しない。

世界的に右を差すのが主流だが、アメリカは左効きが多いという誤解(正しくはクロスドミナンスと呼ばれる両利きが多い)からアメリカ製ブランドでは左を差すファスナーが見られる。

弊社製品の一部には左を差すファスナーが採用されているが、これはアメリカ風を意識したものではない。
ライダースのスピリットとも呼べるユーザビリティの配慮、どちらが差し込みやすいかを検討した結果にすぎない。

新商品の開発シーンでは、普段通りの右差しが差し込みやすいか、変更の必要があるのかが常に検討される。

余談だが、年代物のライダースでみかけるポケットのファスナーが逆さに配置されたものも情緒的理由で採用されたのではない。
当時は風圧などで意図せずに開いてしまうことが多かった為、それを防止することを目的としている。




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肩章は何に使用するのか


エポレットやショルダーループなど、形状や衣類の種類によって様々な名称と理由が存在する。

階級を表す、斜め掛け背嚢のベルトを挟む、緊急時に引きずり出すグリップとして、などがこのディテールが存在する代表的な理由だ。

DSCN0079B.jpgモーターサイクルシーンにおいては手袋を挟む為とされていることが多い。

実際の使用には疑問が残るが、これはハンガーなどに掛けている時に手袋を挟む、と考えた方が自然だ。



袖口はなぜ狭くなっているのか


ライダースジャケットの袖口にはファスナーがあり、肘から袖口にかけ徐々に細くなっている。

これは転倒時のずり上がりを防止するディテールだ。転倒時にはどのように衣服が引っ張られるか予測困難であり、袖口が広いジャケットでは袖がずり上がり思わぬ怪我をする可能性が高くなる。

言うまでもなく、防風とグローブの関係から袖口が細くなっているというのも理由のひとつだ。




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腰ベルトはなぜ存在するのか


伝統的なライダースジャケットが生まれた時代、舗装道路は多くはなかった。数百キロの距離をモーターサイクルで走ると内臓に負担が掛かる。また当然、腰の疲労も相当なものとなる。

これを軽減させるのが腰ベルトの役目だ。ベルトは単体ではなくジャケット本体を締め上げることにより機能するが、舗装とサスペンションが発達した現代においては、実際に使用するシーンは皆無である為、伝統の継承として存在するにとどまる。

余談だが、とあるアメリカのライダースメーカーでは、極厚のベルトは銃を携帯する為にあるとも解釈されている。

袖口と同様の内容になるが、防風の関係からベルトが存在するのも理由のひとつだ。
最新のライディングウェアにはストームガードが装備されていることもあり、ジャケットとパンツの連結部分の防寒は古今東西の防寒テーマであることが窺い知れる。




以上、店頭で出会ったマニアの方や、アメリカに在住した経験のある方などに教えて頂いた内容なども含ませて頂きました。より深く知ることにより、あなたがあなたのライダースジャケットに愛着を持って頂けたら幸いです。


もし、あなたが愛着を持てるようなジャケットを所有していない場合、ぜひKADOYA東京本店、またはオンラインショップをご利用ください、心よりお待ち申し上げます。


レザーウェアのKADOYA東京浅草本店 店内の様子
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「バイク用ライダースジャケットは普段着で着られるか」へのご回答

店頭でたまに聞かれる質問へのご回答です。
「バイク用ライダースジャケットは普段着で着ることができますか」

当然ですが、想定しているジャケットや、その人の属するコミュニティによって回答は変わります。よって、ご回答は次のようになります。

「バイク用衣類の特徴を知って、一般衣類との違いが許容できれば着用できます」

以下にその特徴と傾向などを記述していきます。



1. バイク用衣類はアームホールの形状が特殊


アームホールは自然なたまご型が美しいとされているようですが、バイク用衣類ではこれを無視している場合があります。形状がどの程度変形しているかは、そのモデルによって変わります。

AH形状


2. 二の腕回りが太いのはライダースの特徴ではありません


バイク用ライダースは上腕部分が太いとされている場合がありますが、これはライダースの特徴ではありません。特定の海外ライダースジャケットブランドの特徴のようです。
バイク用衣類で考えると、上腕は細くしたほうが運動量を確保できます。しかし、想定している体型によって限界がある為、「細くしたいができない」というジレンマが存在します。

上腕説明


3. 革の厚み


バイク用ライダースは、安全性と風の影響を軽減させる目的で厚手の革を採用しています。私的な感覚でしかありませんがそれは以下のように分類できます。
1.7mm厚以上:かなりの重量になるため街着には向いていません。
1.3~1.6mm厚:バイク&街着に両用できる汎用的な厚さと言えます。
1.0mm~1.2厚:一般的な布地と近いデティールの作製が可能で街着に向いています。
0.9mm厚以下:布地より破れやすく繊細な扱いが必要な革です。

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4. 着丈


乗車姿勢を考慮したバイク用ライダースの着丈は短めが基本です。
街着ライダースの場合も、重ったるい雰囲気になるのを避ける為、短めが良いとされていることもあるようです。短いのが気になるかどうかは人それぞれです。



「伝統を背景にしながら機能に裏打ちされたデザイン」


私はそれがライダースの哲学だと考えています。

・バランスより壊れにくさを重視したゴツいファスナー
・背中に配置されたアクションプリーツ
・立ち姿勢より運動性を優先した変形アームホール
・防風を考慮した狭い袖口
・数十年の着用を想定した厚い革

これらは機能的な理由で採用されたデティールですが、例えタウンユースあっても胸を張って言い切ってください。




「カッコイイだろ?」








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【ライダース】サイズ選び お手入れ その他豆知識【まとめ11記事】

創業80年のレザーウェアメーカーKADOYA、その東京本店ブログの過去記事から有益と思われるものを抽出しました。

レザージャケットやレザーパンツ、ブーツ、グローブなどのサイズ選びや、メンテナンス等のお手入れ、豆知識などをご紹介しています。




創業80年の専門店スタッフが語るブーツとグローブの豆知識


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創業80年の専門店スタッフが語るレザーパンツの選び方


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創業80年の専門店スタッフが語るライダースの選び方【サイズ編】


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皮革製品のお手入れについて


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創業80年の専門店で勤続10年のスタッフが語るライダースの選び方


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モーターサイクルシーンにおけるライダース素材の機能について


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ライダースのオーダーメイドは既製品と何が違うかご存知ですか?


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レザーベスト編上げの結び方


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レザージャケット、ライダースジャケットの経年変化 まとめ12着


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脱ぎにくいブーツを簡単に脱ぐ方法


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編み上げ



以上、年齢や時代を問わない普遍的な記事でまとめました。
モーターサイクル文化を楽しみながら、ライフスタイルを深めることへの参考になれば幸いです。



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